小さな息が、やわらかくトウマの口から漏れた。
・・・・ 笑 顔 ?
「…それは、お前の番組中に毎回メッセージをくれる、熱心なリスナーのことか?」
「っと、あの、」
「他にも何人もいるよな、お前のファンを名乗る奴ら。…ああいうのは、大事にしろよ。将来、壁にぶつかったときに、かならず支えてくれる。」
そうじゃない。
そんなことを、聞きたいんじゃない。
トンガリさんは、あなた、ですか?
それを、聞きたい、のに。
「あーっ!サラちゃんだ!うわぁ、きのう、ぼくリクエストしたんだよ!サラちゃんが読んでくれたの!ねぇねぇ、でぃーじぇーの、サラちゃんでしょ?」
ちょうどそこを通りがかった小さなお子様連れの宿泊客に、声を掛けられてしまった。
「サラ、ミーティングは8時半からだからな。遅れるなよ。」
「トウマっ!ちょっと待っ…!」
あんもう、ちくしょう!逃げられた!
記念撮影にサインに、そんなことをしていたらわらわらと人だかりが出来てしまって、結局時間ギリギリまであたしはそこを動けなかった。月末でやめると発表してしまったのだから、仕方がないこととはいえ。
トウマ…次は、逃がさないんだからね!



