S・S・S







“きょう一番運勢が悪いのは… ごめんなさ〜い!しし座のアナタ!何をやっても空回りの一日。ラッキーアイテムは…チワワ!見かけたら、頭を撫でてみるといいことあるかも〜♪”


「しし座……って、あたしっ!?」


朝の情報番組でやってる、お出かけ前の星占い。
ホテルのロビーで、つい足を止めてしまう。
これ、最下位だと地味にダメージ受けるよね。うん、だったら見なきゃいいのにって思うんだけど。かと言って直前に切るってのもなんか逃げた感じがして嫌じゃん?そもそも、ここじゃ勝手にチャンネル変えられないし。


「しかも、チワワってなに!?スキー場のどこを探したらチワワがいるってゆーのよっ!無茶言うなーーーっ!!」

「…っとに、朝からうるさいな、お前は。」


バサッと折りたたんだ新聞の影から、大魔王が顔を出す。


「……トウマ…いたの…?」
「お前が来る前からな。」


トウマは、テレビ前のソファに座って静かに新聞を読んでいた。普段は見られない、メガネ姿。頭もセットしていないラフな感じがちょっと可愛くて、ひそかにラッキー、なんて思った。…こんな姿も、あと2週間で見納めだ。


……ほんとうに、そう、なんだろうか。


半分新聞紙に隠れた横顔を見つめながら、あたしは昨夜のサエさんの言葉を思い出していた。




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