S・S・S



「わ、あ……っ!!」

山頂からの眺めは、言葉にならないほどの絶景だった。


「す…すごいすごいっ!!アルプス連峰があんなに綺麗に見えるっ!しかも、あれ、……もしかして富士山っ!?うわぁ…同じ目線に富士山の頂上があるよぉっ!!何コレ何コレ!!」

天辺を白くした山々が連なって遠くに見える。
青空になんて綺麗に映えるんだろう。
ああ、すごい。乗って良かった!ゴンドラ万歳!


「…絶景だろう。」

「うんっ!!こんなの初めて見た!登山しなくてもこんな景色が見られるなんて、スキーって良いね!」

「どういう感想だ、お前…ま、いいが。これを見ながら雪の上を滑り降りていくのはさらに快感だぞ。」

「うん…!気持ちよさそう!あたし、滑れるようになりたいっ!」

「きょう一日でボーゲンをマスターできれば上出来だな。」

「ぼーげん?」

「板をハの字にして滑ることだ。スピードを殺せるから…」


それからたっぷり半日掛けて、トウマはスキーを教えてくれた。
平日のゲレンデは人も少なくて、コースを大きく使って練習できた。それに、前日の夜にたくさん雪が降ったからゲレンデ中どこもかしこもフカフカの雪で、トウマの言うとおり転んでも全然痛くなかった。