「無理無理無理!やだやだやだ!!あんなとこ行ったら死ぬ!死んじゃうっ!」
「…大丈夫だから。」
ああ、この邪気のない微笑み。
「ちゃんと、見ててやる。転んだら、受け止めてやる。…俺が、信用出来ないか? 」
「し、……んようって…」
いつになく真剣な物言いに、いつもと違う何かを感じた。
どうしたの、トウマ。
信用?
信用、なんて。
「あたし、トウマには全幅の信頼を置いてます。」
してるに、決まってるじゃない。
「…あなたがキッカケでこの世界に足を踏み入れて、あなたの背中を見て、あなたに教わったことの全てで、いまDJをしてるの。信用なんて、120%してます。当たり前じゃない!」
そうだよ。
何を言い出すの、突然。
「ぶっ!」
で、コラ。
横を向いて、吹き出したわね?
……って。
なんて、笑顔なの。
少年みたいに、無邪気に。
「お前はほんっとに予測不可能な反応をしてくれるよな。」
「はい?」
あなたこそ、予測不能なんですけれども。
「なら、行くぞ。俺のこと、信用してんだろ。…ほら、」
そう言って、トウマが右手を差し出すから。
思わず…思わずあたしも左手を差し出して、手を繋ごうとしてしまったのだけど。
(不可抗力だ!わるくない!あたしはわるくない!!)
そしたら今度は意地悪そうな笑みでトウマが言った。
「…違う、板。」
「へ?」
「お前の板も担いでやるから、貸せという意味だ。」
「…………っ////!!」
「…っとに、お前は。」
うわぁあぁあぁあぁあぁ!!!何やってんだあたしぃーーーー!!!手繋ぎとか馬鹿じゃないのっ!?
恥ずかしい!
恥ずかしい!!
恥ずかしい!!!
もう今すぐ雪に穴掘って埋まりたい!そして凍死したい!!神様!あたしの命を今すぐにーーーーっ!!
「………ぃな。」
・・・・ん?
気付いた時にはもうスタスタと前を歩くトウマがいたのだけど。
なんか、いま…
気のせいかな。
去り際に「可愛いな」って聞こえたような気がするんですけど、でもこれは妄想による幻聴かもしれないしかなり都合のいい解釈でしてあの人がそんなことあたしに言ってくれるはずもないし…
「サラ、置いてくぞっ!」
いかん、そろそろ大魔王様ったら本気でイラっとしてらっしゃるわ。



