S・S・S



でも、世の中そんなに甘くない。



確かにあたしは、てっぺんから次々と滑り降りてくるお客さんたちを眺めては「気持ち良さそうだなぁ、いいなぁ、あたしも滑れたらなぁ」と思ってはいたよ。「いつかあたしもトウマと二人で…もわわーん」とも。思ってはいた。いた、けれどもさ。


いきなり、この仕打ちは無いんじゃない?



「ね、ねぇ、、トウマ。なんでいきなり、これに乗るの??」

板だけじゃなく、ウエアにゴーグル、手袋まで一式レンタルしてくれて(しかもいいって言うのに支払いまでしてくれた。)用意万端整えて。さぁ、いざゲレンデへ降り立ってみたらば。

いきなりあの人、ゴンドラ乗り場まで歩いて行くじゃありませんか。
(ちなみにゴンドラはリフトと違って高速で移動し大人数を乗せることができる。しかも、行き先はノンストップで頂上駅だ。)

硬いスキーブーツで歩くこともままならないのに、いきなり頂上とか意味がわかりません!ちょっと!!


「ねぇっ!!トウマっ!!」


板を肩に担いでカクカク歩きで必死に追いつく。追いつくというか、正確に言うとトウマが待っててくれてるんだけど。でなきゃとても。ええい!この靴、歩きにくいっ!!!


「…ゴンドラならスキー板を履かずに乗れるからな。リフトだと板履いたまま乗って、最後に滑って降りないといけないから。お前、無理だろう。」

「そ、…れはそうかもしれないけどっ!でもこれ、一気に頂上まで行くんでしょ???あたし滑れないんだよっ!?」

「いや、頂上の手前までしか行かない。それに、ここはパウダースノーで下の雪もフカフカだから転んでもそんなに痛くない。コースも、傾斜の緩い迂回路がある。今日のコンディションなら練習にはもってこいだ。」


さすがに先輩。立て板に水とはこの事ですね。非常に簡潔でわかりやすい説明をありがとうございます。一文は短く、要旨をまとめて、ですね、ええ、勉強になります、、


・・・・ってぇっ!!!