それを聞くと、トウマは盛大なため息をひとつ吐いた。
「…アホかお前は。スキー場に来て、やることといえば一つだろうが。」
「…ひとつ?」
「滑るぞ。」
・・・すべる?
・・やっぱり?あなたのお召し物、それ、さっきから気になってましたけど、スキーウェアですよねー
・・・って!!
「えーーーーっ!?ムリムリムリムリ!!あたし、スキーなんてやったことないもん!!出来ないよっ!!」
「お前、ゲレンデDJのくせに、滑れないとかフザケてんのか。やったこともないのによくスキーヤーの気持ちがわかるな。」
「ぐっ、、」
「俺の過密スケジュールの元凶はお前なんだからな。オフ日くらい付き合え。」
「で、でもっ…」
「大丈夫だ、教えてやるから。」
そう言って不意に笑いを滲ませられたら。何も言えなくなってしまうのは、これまた恋する乙女の悲しい習性だ。



