トウマが訪ねてきたのは、世間の正月休みもピークを過ぎた頃だった。
「おい、問題児。ちょっと出て来い。」
朝一番、無遠慮なノック音と共に現れたトウマはド派手な色の服を着ていた。
「トウマ… って、それ何?何のつもり?」
紫と黒のツートンカラーの…これは…
「…40秒で支度しな。」
(ってゆーかそのセリフーーーっ!)
すっかりダラけた生活に慣れていたあたしはルームウェアのままだったんだけど、確かにそのまま外に出られる格好じゃないんだけど、ってゆーか…
「なにをどう支度すればいいのよっ!?」
行き先も告げずに支度しろって!
無理をおっしゃいますな大魔王さま!!
「…とりあえず外に出られる格好ならいい。あぁ、あと必要ないかもしれないが帽子があれば被ってこい。一応お前謹慎中だからな。」
この… 自己中オトコっ!(怒)
いきなり来てやぶから棒になんなのよぉっ!?
ええと、ええと、
何を着て行けばいいんだろ…
デート…じゃないことくらい、あたしにだってもうわかる。もう騙されないもん!!だってさっきのトウマの服…アレって、アレって…
…とりあえずジーンズでいいか。
動きやすい格好の方が良さそうだし。
慌てて着替えて、ニット帽を被って外へ出る。
「ちょっと、トウマっ!どこ行くの!?」
前をスタスタ歩くトウマが一瞬振り返り、人差し指を唇の前で立てる。
「………っ /// 」
その微笑みの、甘やかなこと。そんな風にされたら、恋する乙女はついて行くしかない。
そのまま目の前の人物は駐車場へ行き、車に乗るようあたしを促す。
…移動、するのね?
どこへ、行くんだろう。
「…トウマ、きょうはオフなの?」
車が動き出して、ようやくまともに会話ができた。



