S・S・S



…いまだに、あたしは信じられなかった。

彼が、あんなことをするなんて。

だって、毎日のように番組にメッセージをくれて誰よりもあたしを応援してくれていたのは、他ならぬシュンくん―…“トンガリ”さん、だ。そこに嘘はなかったもの。

あたしの声色やトークの内容を聴いて、ちょっとした変化に気付いてくれて、落ち込んでいたら的確に励ましてくれた。それって、毎日、ちゃんと番組を聴いてないと無理な芸当だ。あまりに見事なタイミングで励ましてくれるから、「なんで分かるの!?」って叫んだことも一度や二度じゃない。

そういうのって、、

…なによりも愛を感じるじゃない。


ゲレンデにやってきて、2ヶ月。
慣れないDJの仕事をなんとかこなして来られたのも、シュンくんのお陰だったの、に。


なのに、

“どうでもいい”
“どうせひと冬の恋”、だなんて。

あんなに心の篭ったメッセージすらも、恋愛ゲームの内だった、というのだろうか。


ああ、人間不信になりそう。


…疲れたな。

なんだか、とても疲れた。



あたしが謹慎処分となったことで、モモが復帰したものの(そもそもアイツ使えないし)DJブースは人員が足りなくててんてこ舞いだった。ただでさえ忙しい時期だし、みんな内容が内容だからか腫れ物に触るような感じで、あたしにあまり話しかけてこなかった。…もちろん、トウマも。

謹慎って言っても別に外出まで禁じられているわけじゃないんだけど、積極的に何かをするという気力もなくて、あたしはずっとホテルで過ごしていた。

ミニシアターで映画を鑑賞したりロビーで雑誌を読んだりネットサーフィンしたり…何をしても心は晴れなかったけれど、ジムも完備している大型リゾートホテルはとりあえず“退屈”という言葉とは無縁の場所だった。