S・S・S






「…うわぁおぉぉお」

窓際のテーブルに肘をついてゲレンデの様子を眺めている女の子を遠くから目で確認して、思わず変な声が出てしまった。

だって。

「か、…」
「可愛いでしょ、明ちゃん。」

奏さんは目を細めていとおしそうに彼女の名前を呼ぶ。
そうか、灯歌ちゃんが着替えを用意したって言ってたけど…

「ナイス衣装ですねっ!!」
「うん、あの子、灯歌ちゃんだっけ?部屋も用意してくれたし、ほんとサンキュって感じ。あとで改めて礼をしなきゃな。」

お礼なら…

「彼女、コバさんのファンみたいですよ?」
「うん、さっきサイン頼まれた。」

軽く口元を緩ませて奏さんが言う。
あ、なんだ。もうとっくに依頼済みなのね。ぬかりないわ、灯歌ちゃんたら

明ちゃんは、ゲレンデに良く映える服を着ていた。
肩のところが少し開いた柔らかそうな白いニット、下には紺色のワンピース。
きっと裾はふんわりフレアになってるんだろう。女子力高いわぁ。

「あれ、一人で放っておけない感じですよね。」
「だよねぇ、さっきから変な男に声を掛けられないか心配でさぁ。例のコーナーが始まるまで、一回彼女のところに戻って待ってていい?」

ぶっ。
今度はあたしが吹き出す番だ。
奏さんって、ほんっとに明ちゃんに惚れてるんだなぁ。
心配だよね、そりゃ。