S・S・S



「…お前はもう少しボキャブラリーを増やせないのか。」


ふわ、と頭上の髪がやさしく押された。

って・・・・


「うわわわわっ…kんbshy@4★p(小田和正)」

「トウマ!おかえりなさーい!江口さんと明ちゃん、ちゃんと案内しておいたよー!」

「あぁ灯歌、サンキュ。すまなかったな、急に。」

「ミーティング終わったら、着替え用意して、様子見に行って来るね!」


それでね、それでね、と堰を切ったように昨夜のことを話し出す灯歌ちゃん。うう、あたしの心臓はまだバクバク言ってるというのに当の本人は平然としたものだ。可愛くて仕方ない、というような表情で笑って彼女の話を聞いている。くすん。ほんとうにいっつもあたしばっかりドキドキしてんだなぁ、もう。ってゆーかさ。ってゆーか…あの…



頭の手、どけてくれませんか。

なんで灯歌ちゃんの話聞きながらずっとあたしの髪触ってるんですか。

ちょっと!
こ、心地良くて、死にそうです。
力入れてないと、顔がだらしなく崩れていきそうです。
表情筋がまったく働きません。
無意識ですか、それ。
だとしたら、かなり性質が悪いよぉぉぉ!


「ちょっ… トウマ…っ!」

ダメだ、もう顔が真っ赤なのが分かる。熱いもん!
恥ずかしいっていうかもうだからこういうの公開処刑っていうんだってばっ!

涙目で抗議すると、信じられないことが起こった。


「おはよう、サラ。」

見るものの心を芯から溶かすような
極上の、笑顔で。


お は、よ 、う、、、、?


完っっっ全に、不意を突かれた。

何!?なんなの?この邪気のない完璧な微笑みはっ!?



おはようって何!?

トウマが、あたしに、
普通に挨拶してるーーーーーーっ!?


なんで挨拶されたくらいで呆然自失しなきゃいけないのって自分で自分が情けなさ過ぎて涙出てくるんだけど。