S・S・S



落ち着かないまま部屋を見渡すと、丸太の壁には素材に似つかわしくない電子パネルが設置されていた。

【ただいまの発電量…○kw】

と、赤い文字で表示されている。

、、へぇ。発電機があるんだ。まだ新しい、ピカピカのパネル。

隣に川が流れてるみたいだし、水力発電なのかなぁ。。んん?でも冬だと凍っちゃうよね。そんなに水量なさそうだし。。

素朴な小屋と、最新の発電システム。
なんだか、ちぐはぐな印象だわ。

不思議な、ところだなぁ。


テーブルと椅子はあるけど、ソファやベッドはない。石油ストーブが一台。手を洗う程度のシンクはあるけど、キッチンと呼べるほどのものではない。電化製品はほとんどない。

…つまりここは、長い時間を過ごすための場所では、ないんだ。


ひみつの、隠れ家。


そんな言葉がぴったりかもしれない。

でも、だからこそ、思いきりくつろげる気がする。何もないけど、暖かい。寒さに凍えた身としては、もうそれだけでいい。何かあると、何かしなくちゃいけない気になるもの。



きっと、ここは
トウマの、プライベートスペースなんだ。

そんな場所に、連れてきてもらえた。

それがなんだか、胸の底がウズウズするほど嬉しかった。