「どっ!どーぞどーぞ!あたしも明ちゃんと話したいの!ち、ちょうどっ!」
…あたし、女優の素質、ゼロだなこりゃ…
妙に棒読みになるわ声は裏返るはさんざんのあたしのセリフに笑いを噛み締めながら、トウマが
「じゃ、15分くらいで戻ってくるから」
と、言った。
「ちゃんとここで大人しくしててね?」
子供に言い含めるように、奏さんが明ちゃんに言う。
あぁもう、ほんとに明ちゃんのこと好きなんですね、奏さん…見ているこっちが恥ずかしいです。
他の男に持ってかれないか、心配なんでしょ。大丈夫、あたしが責任持って見張ってますとも!
…この時間に関してはね。
「いつもしてますっ!」なんて、ふくれながら可愛らしく応じる明ちゃんに目尻を下げて、奏さんはトウマを連れてバックヤードに入っていった。
…さて、どうしようかな。
隣を見ると、明ちゃんが恥ずかしそうに頬を染めていた。
なんて可愛いんだ!明ちゃんっ!至近距離!ノォっ!!
奏さんがメロメロになっちゃうの、分かるなぁ。
こういうの、ちょっとくすぐったい。
目を合わせて、お互い、照れたように笑い合った。



