「えぇぇええ!?マジでっ!?」
「さ、最前列…」
「アイツ…」
「なんか、VIP席みたいだね!」
あたし、メイちゃん、トウマ、美加ちゃんの声が、目の前のステージに焚かれたスモークに溶けていく。
そう。
あたし達の為に、奏さんは超VIP:最前列の席を用意してくれていたんだ。
「…江口さん、だからカツラかぶんなかったんだ。」
隣にいたメイちゃんが、小さく呟いた。
「え?」
「あ、、いや、バンドの髪型じゃあ…あたし達のこと案内なんてできないなって、思って」
まだ誰もいないステージを見上げて、メイちゃんは複雑な表情を浮かべていた。
そっか…
そう、だよね…。



