S・S・S




ひとりで行くなんて、ヒドい!

慌てて後ろから黒い背中を追い掛ける。


人を掻き分け、ようやく扉の外でトウマのダウンジャケットの裾を引っ張ると、彼は小さくため息をついて「モタモタすんな」と、あたしの右手をぐいと引き寄せた。



――… あ。





あたしが、重ねられた左手の温もりにドキンとしたのと、


「「「キャーーーー!!」」」


という黄色い歓声が上がったのが、ほぼ、同時だった。




――…歓声?




次の瞬間、あたし達は(正確に言うと、あたしの前にいたトウマは)激しいメイクをした若い女の子たちの集団に、囲まれていた。


なになにっ!?何事っ!?