S・S・S




泉さんに背を向けて、トウマは小声で言った。


(いいから、お前はすぐ出れるように支度しとけ。オンエア終わり次第、会場へ向かう。)


「……むぐぐ…」

(……わかったか)

「……ぐむっ!」



うう……

せっかく一日中デートできると思ったのに、こんなのあんまりだ。


涙目でひと睨みしてそこを去ろうとした、のに。




――…やっぱり、暗黒大魔王だ。


どれだけ、あたしの心を掻き乱したら気が済むんだろう。






「――…着替え、持ってこいよ。」



去り際、肩を掴まれて耳に囁かれた一言が

あまりにも、色っぽ過ぎて発火寸前。


あとの半日、全部費やしても、熱が退かなかった。――…意味深すぎるよ、バカトウマ。