「サエさん……アホだの、バカだの、ヒドいです…」
確かにバカだけど!
我ながら呆れるくらいバカだけど!
サエさんはチラリとあたしを見ると、やけに芝居がかった大袈裟なため息を一つ、吐いた。
「…”トンガリ”くんを、見事にスルーした子に言われたくないわね。」
「だから、シュンくんなら風邪で寝込んでるんですってば!」
そう。
一昨日の夜、結局あの後も、シュンくんはロビーに現れなかったんだ。
なぜなら―…
「――…またすごいタイミングで風邪と来たもんだ。」
サエさんが、ヤレヤレ、といった様子で首を振る。
「だから、ちゃんと良くなったら…」
「そーゆーことじゃないのっ!」
「………へ?」



