そんな、甘ったるい感情を全て掻っ攫うように
奏さんの指がプレイボタンを押した瞬間、澄んだ音が、全身を駆け抜けた。
文字通り、全身を、くまなく。
奏さんのドラムが、身体の底を叩く。
ギターの音が、鼓動を乱す。
耳から、目から、鼻から、口から。
多彩な音色が、こぼれ出す。
それはさっき奏さんが連れてきた空気の色と、全く同じ音色だった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
何も考えずにボンヤリ
ただ好きなことをひたすら
自分のことばかりの日々で
たくさんの人をキズつけた
一人でいい─そう思っていた
一応ニンゲンだからね
一人はこわいって知っていたよ
でも、二人はもっとこわかった
キズつけてしまうなら……
一人でいい─そう思っていた
この胸に響く たくさんの想い達を
すべてこの音にのせて届けよう
開く道は すべて君と一緒の未来
カッコ良くキメられないけど、
俺と歩んでほしい
冬、寒く寒く 凍るような日に
君を抱いたこの腕が
冬、寒く寒く 凍るような日に
響かせた音が
俺の想い、これ全部
次はそう、君の番…だから
君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
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