S・S・S




突然立ち上がって叫んだあたしに、今度は奏さんがびっくりした顔をした。




「え、サラちゃん、俺らのバンド知ってんの?嬉しいねぇ。」


「知ってるも何もっ!今日あたし番組でかけましたよ、『Open The Door!』スッゴい格好良かったです!」


「……どーも。俺らも大事にしてる曲だからな、嬉しいぜ。ってなわけで、新曲出来たから聴いてよ、サラちゃんも一緒に。」



言うが早いか、音源を取り出してトウマが用意したプレーヤーにセットする奏さん。





段々、この人のペースがわかってきた。

せっかちだなぁ、もう。


そう思ったら、
ふわり、頬がほころんだ。





ヘッドフォンをセットしたトウマが、片耳をあたしにくれる。





―――…あ




ヘッドフォンの右耳と左耳。

トウマと片耳ずつ当てたら、顔がすぐ近くにあって、余計恥ずかしかった。






―――…左耳が、くすぐったい。