「──…いやぁ、参ったねぇ。まさかこんなに雪が深いとは思わなかったよ…ね…え?」
「――…奏…」
「……あ///」
彼がロビーに入って来た瞬間、トウマは慌てて左手を下ろしたけれど。
もう片方の腕はソファの背もたれからあたしの肩に掛けられたままで。
おかしなムードに、
彼が気付かないはずがなかった。
「なに、ふたりとも、知り合い?…だろうな、そんだけ仲が良けりゃあなー…。って俺、もしかして邪魔したー?」
――…ええ、正直かなり。
『カナデ』さんは、からかうようにニヤニヤしながら、あたし達を交互に見た。
「ふ〜〜〜〜ん、へ〜〜〜〜え。」
「………ニヤニヤすんな。ってか何なんだよお前。イキナリ夜中にこんなとこまで乗りつけやがって。年越しライブ明後日だろーが!」
「なんか…照れてるお前って初めてかも…キショいなーーオイ。」
「………殺されたいのか、お前。」
―――…なんか…
カナデさんは、トウマの友達らしい。
かなり、仲良いんだろうなぁ。
類友ってやつ?あの自己中な物言いとか、トウマにそっくりだもん。
こんなに誰かと親しげに喋ってるトウマって初めて見たかも。
いつも難しーい顔してるのに、なんか表情がリラックス、してる。
カナデさん、すごいなぁ。



