S・S・S





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「大崎と桃井。この2人で決定でいいな?」



NIS-FMの会議室に、討論を打ち切ろうとする声が響いた。


この冬に新しく加えるゲレンデDJのオーディション。

最終審査で残った10人の中から、2人を選出する予定だった。
順当にいけば、大崎と、桃井。


売り出し中のモデルである桃井は、馴染みのプロダクションからのプッシュだから事実上決定で。

あと、ひとり―…




実力から言って、大崎は申し分なかった。



長いこと地元のコミュニティFMで喋ってきたという彼は、さすがに現場に慣れていて、あれこれ教育する必要がない。放送機材にも詳しいし、即戦力として使える、ありがたい存在だった。


チーフプロデューサーである烈火さんは彼を推していたし、審査員の中で、異を唱えるものは誰もいなかった。


あの、ド素人の大学生…安藤サラという奴のことを気にかけているのは、俺だけだった。