「烈火さんってば……」
女の子が、背後でクスリと笑う声が聞こえた。
振り返ると、そこにはサラサラのロングヘアをした美少女。
まだ、高校生くらいだろうか。
―――か……可愛っ…
彼女は、大きな瞳を潤ませて、恥ずかしそうに笑う。
「……助けてくれて、ありがとうございました!安藤、サラさんですよね?」
「え、あ・は……い」
―――…なんであたしの名前を知ってるの?
「叔父と、今朝早く着いたんですよ。わたし、灯歌(ひか)って言います!あとで、ちゃんと挨拶させてくださいね。」
「え?」
――…“あとで、挨拶”?
「あらやだ!もう、灯歌ちゃんってば、もうどこに行ったかと思えば…こんなところにいたのね。」
続いて正面からやってきたのは、キャリアウーマン的なボブヘアーの美人。
勝気な瞳が、印象的だ。
…?姉妹、なのかしら…?
「あ、泉さん。ごめんなさーい!ゲレンデって初めてだからつい興奮しちゃって。」
「烈火さん、今頃ヤキモキしてるわよ、早く戻んなさい。」
「はぁーーーい。」
ボブヘアー美人があたしに目を留める。
「ああ、えっと…安藤さん、だったかしら?どうも、ありがとうございました。また、後で改めて。」
そう言って、“泉”さんは“灯歌ちゃん”を連れて行ってしまった。



