「やめてよ!」
女の子の声が大きくなる。
あ、と思ったときには、もう飛び出してた。
自分も連れ込まれちゃうかもしれない、なんて考えもしなかった。
「ちょっと!その手を離しなさいよ!嫌がってんじゃない!」
我ながら、なんでこんなに喧嘩腰なんだろうと思ったけど、口から出ちゃったもんはしょうがない。
「あ?なんだお前……」
振り返った男は、眉間に皺を寄せている。
目は細く凄みがあって
髪も金髪で、かなりやんちゃな感じ。
――…しまった…
先に、人を呼んでくるべきだったかも…
本気で来られたら、敵う相手じゃない。
一触、即発。
殴られるかもしれない、と
内心、泣きそうになりながらも女の子をこちらに引っ張り込んだ。
でも、後には退けないじゃない。
男の内の、誰かが言う。
「じゃぁ、あんたが代わりに俺らと遊んでくれんの?」
ねっとり絡みつくような視線と共に、腕を掴まれる。
「痛っ……」
……ダメだ、本気でマズイ…
本番前なのに。
こんな風にトラブルに自ら巻き込まれるような真似、トウマにバレたら絶対に厳しく怒られる……
「じゃ、お姉さんでもいいや、こっち来いよ。」
「ちょっ…そういう事じゃ…」
グイグイ引っ張っていく男の力に、引き摺られそうになった。
―――…誰か、助け てっ…



