じたばた最初は暴れていたソイツも、 少しずつ大人しくなってきた。 ふぅ・・・と小さく息を吹き込み、 詠唱を唱える。 意味どころか言葉もよく分からない、 でもなぜか口ずさんでいた。 「・・・・・」 すると、手の中の蝉は、 人間に戻り、 「うわぁぁぁあ」 と、叫んでたちまち私から逃げた。