寿「いらっしゃいませ~!!」


私たちのたこ焼き屋は思ったよりも繁盛していた。


「寿々のたこ焼き超美味しそう」

「上手だよね」


寿「学園祭のために練習したから!!」


「嘘~」

「本気じゃん」


寿「超マジだよ!!」


「アハハハハ」


私は自分の当番以外の時も店の手伝いをしていた。
誰かと一緒じゃないと
誰かと笑ってないと
涙が溢れだしそうだったんだよね。


「寿々?ちょっと休憩しなよ」


寿「ありがとう」


店の奥に行き椅子に座る。
制服の胸ポケットに入れたケータイがまた震え出した。
取り出したら…やっぱり…ケータイはライトをピンクに光らせる……。


これは蛍専用の色。


蛍からの着信はライトがピンク色をして知らせてくれる。


昨日からずっと。
夜中はさすがに電源を切ったけど…朝方まで着暦やメールが残っていた。
メールはもちもん読まずに削除。