江口さんは、ゆっくりあたしの方に目を向けた。 そして、そのまま固まってしまっていた。 「あの…何ですか?」 「あ、いや、服借りたんだと思って…」 「そうなんです、灯歌ちゃんに」 確かに、普段のあたしを知ってる人には違和感満載かもしれないよね… おかしい、かな、、、? 「こういうタイプも…いいねぇ」 「え?」 「似合ってる。ってこと」 今回ばかりは、赤くなってしまうのは仕方ないと思う。ずるいよ、この人。 あたしはそのあと何も言えずに、黙々とゲレンデにいく支度を進めた。