江口さんに背を向けて、すたすたと歩き始める。 こんなんだったら、おっきい声でエグチさんの名前叫んでやればよかった! 何だったわけ?! さんざん振り回して怒って、理由も言わないし。 「楽しかったのに、、、」 目の前に滲むものを、あたしは認めたくなかった。 でも、目頭に指をあてると確かに、その指は濡れてしまうから…。 うなだれて歩くあたし。 愉しげに踊りゆく男女。 「明」