君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




江口さんに背を向けて、すたすたと歩き始める。

こんなんだったら、おっきい声でエグチさんの名前叫んでやればよかった!

何だったわけ?!

さんざん振り回して怒って、理由も言わないし。


「楽しかったのに、、、」


目の前に滲むものを、あたしは認めたくなかった。

でも、目頭に指をあてると確かに、その指は濡れてしまうから…。


うなだれて歩くあたし。

愉しげに踊りゆく男女。



「明」