君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




「わかったYO!君も最後まで楽しんでくるといいYO!」

「当たり前でしょ!」

「あ、ただし、君…そこの君!うちの姪ってこと忘れちゃダメだYO!」

…誰に言ってるんだろう。


マイクごしにされる会話は、家族の問題…かな。


そのあとは、結局ずっと江口さんといた。

カウンターを離れて、踊っている人混みの中に入っても、「エグチ」が気づかれることはなかった。

「背高いから、気づかれそうなのに」

「みんなが探してるのは、俺じゃなくてオレンジ頭だからね」

そう言いながら、あたしの肩に手を回す。