「わかったYO!君も最後まで楽しんでくるといいYO!」 「当たり前でしょ!」 「あ、ただし、君…そこの君!うちの姪ってこと忘れちゃダメだYO!」 …誰に言ってるんだろう。 マイクごしにされる会話は、家族の問題…かな。 そのあとは、結局ずっと江口さんといた。 カウンターを離れて、踊っている人混みの中に入っても、「エグチ」が気づかれることはなかった。 「背高いから、気づかれそうなのに」 「みんなが探してるのは、俺じゃなくてオレンジ頭だからね」 そう言いながら、あたしの肩に手を回す。