いつかもこんな会話をしたような気がして、声の方向へ振り返った。 「え、、、えぐ…っ!!」 とっさに口をふさがれ、シィ…とはにかまれたときには、あたしも状況を理解して、頷いていた。 「なんですっぴんなんですか?」 「すっぴんって…俺、化粧しないんだけど」 「いや、だってカツラ…」 「あんな派手なヅラじゃすぐ見つかっちゃうでしょ?今回は他の奴らに目立ってもらって、俺は一般客にまぎれる」 …ふーん。 来てくれたこと、ちょっと嬉しかった…なんて、言えないな。