あたし達は、忙しそうに動き回るスタッフをただ立ち尽くして見ていた。 「そろそろ俺らも行かないと…」 大嶋さんがカツラをバサッとかぶった。 長い赤髪に自分の茶髪をうまく編み込んで目立たなくして、ポニーテールにした。 すごいなぁ、、、器用だ。 「おっせぇよ」 「すまない、ライブハウスの前の人だかりがひどくて」 「どこかのバンドメンバーだと思われて囲まれちゃったんですよ」 あぁー、、と江口さんの声。 と、、、誰だろ?