君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




仕立て屋さんとは、どこかに出かける前に、美加の部屋でコーディネートされること。

だからかなぜか、おしゃれな部類に入るあたしの私服は、美加の家のクローゼットにしまわれている。


「江口さん、こちら美加のお母さんで…」

「お久しぶりです、倉田さん」

…は?

「あら、あなた江口さんの…」

…は?

口をポカンとさせているあたしに、江口さんが説明を入れた。

「俺の親の知り合いっつか、、、」

「大事なお仕事仲間よ~」

…つまりは、江口さんも、どこかの企業の社長さんだかお嬢様だかの、、、ご子息!?