君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて




結局、美加の家まで送ってもらった。

美加の家を見て、江口さんは固まった。

ま、そうだよね。

「美加の両親は、どこかの企業の社長さんだかお嬢様だかで、美加はそのご令嬢ってことなんだそうです」

…そう、ものすごい豪邸で、車がたくさんあって、使用人さんもいるような。


「あれ!?明ちゃん!」

「あ、美加のママ、こんにちは」

「こんにちは~!今日も美加は仕立て屋さんをするの?」

「えぇ、いつもすみません」