「やだっ!離してよっ」 あたしを羽交い締めにしようとする腕を、必死に振りほどこうとする。 …気付いて、気付いて、、、! もう少しで見えると言うのに、ハーレーにまたがる、その背中は見えるのにっ! 普段大声を出さないからか、叫ぼうとしても、かすれた声しか出てこない。 揉み合いながら、なんとか江口さんの全身を確認する。 …助けて、、、っ ヘルメットをハンドルにかけて、ふとこちらを振り返る江口さんと目が合う。 見開かれる目。 険しく移る表情。 …全てが、、、。