スプーンをマイク代わりに、大声で演歌を歌い出した、我がバカ母。 「あら、わたしも!」 フォークを片手にハモりだす、陽菜母。 病院中に二人の歌声が響き渡る。 陽菜と顔を見合わせ、 苦笑い。 病院の中庭は、手拍子に包まれていた。