まだ目を覚まさない。

俺はずっと陽菜の手を握ったまま、一晩を過ごした。

夢を見た。

追いかけても追いかけても、陽菜の背中に手が届かない。

「そっち行くな!」

大声で呼んでも振り返りもせず、ただ離れていってしまう、

いやな夢…。