「幸樹」 振り返ると、陽菜が立っていた。 「おう、お疲れ」 「卒業おめでとう」 「お前もな」 そう言ったが、陽菜の顔は曇っている。 すぐに原因に思い当たった俺は、自分を見下ろす。 学ランがはだけている。