俺は祈りを込めて、 屋上への扉を開いた。 冷たい風が吹きすさぶ中、そこに…。 「陽菜?」 見慣れた背中に声をかける。 陽菜だ。 陽菜が居た。 背を向けたまま、そこに佇む陽菜は、何度、名前を呼んでも振り返らない。