俺は保健室のドアを開けた。 「あら川本君、またサボり?」 校医の寺門が睨む。 寺門を一言で例えるなら、太ったオバサン。 授業を受けずに、よくここに逃げ込んできた。 なにも文句を言わずにニコニコ話を聞いてくれたっけ。 「いや、ちょっと風邪気味」