リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「……?」

 おかしな物言いに思わずドラゴンの顔を見やる。

 ドラゴンは右腕を振りかざすと、その鋭い爪を己の胸に突き立てた。

「!? なにを?」

 驚いて立ち上がる。

 ドラゴンは、自身の肉を突き破ったまま口を開いた。

[我はもうすぐ死ぬる]

「! ドラゴンが?」

 意外な言葉に思わず聞き返す。

[全てのドラゴンが永遠の命を持っている訳ではない。我は強大過ぎた故に限られた命を持つ事となった]

 落ち着いた声で続ける。

[我の心臓を欲してここに来たのだろう。ドラゴンの心臓を食べた者がどうなるのか、知っているのか?]

「神にも匹敵する力を得られると……」

 それに、ドラゴンは低く絞り出すように笑った。

[なるほどの。では教えてやろう。我の心臓を食らった者は我の力を受け継ぐ]

 しかし、全てという訳ではない。