リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「またお前か」

「そうだ、わしだ」

 凝りもせずによくも来る……とベリルはつぶやいた。

「当然だ! お前ほどの美しい男はいない。わしに屈せず逃げ回る可愛いやつよ」

「いい加減その悪癖は止めろ。お前の酌をする者は決まっていよう」

「お前に代わらせる」

「そういう問題ではない」

 あきれ果て、据わった目が戻らない。

 男はベリルが動けないのを良いことに、嬉しそうにその顔をなで回した。

「やはり美しい……」

 そのニヤけた顔を殴り倒したい……ベリルは眉間に、これでもかとしわを刻んだ。