葉桜丞は死んだ。
突然の事だった。
誰にも止める事は出来なかったし、諦めるしかなかった。
あれから、数日が経った霊安室。
「兄さん」
千鶴は泣いていた。
兄の冷たくなった体を支えながら、人目も憚らず泣き続けていた。
自分の責任だと責めつづけながら、愛する人が遠くに行った事で悲しみが心を満たす。
「王子様」
傍にいるロベリアやジャスミン、美咲や子鉄もまた悲しみに溢れている。
「油断した私のせいだ」
ジャスミンは拳を握りながら、唇を噛む。
あの時、即座に千鶴と契約したものの、遅かった。
気付いた時には黒い人影に当たりを囲まれていたのだ。
打って出られる方法もなく、狼狽していたところで黒い人影は消えた。
今、ジャスミンを慰められるほど、誰しも余裕はなかった。
子鉄は霊安室から出て行く。
霊安室の外には人が集まっている。
「彼は」
子鉄に話しかけたのは萌黄だ。
子鉄が首を振り、病院の廊下を歩いていく。
その後を追うように去る退魔師の面々。
他に残ったのは妖魔達。
笹原家族、葉桜家族など。
その中には、病室を抜け出したティアやチェリー、カメリアの姿もあった。
自分を助けた人が、死んだ。
症状は落ち着かないものの、三人ともどのような人間か気になっていたのだ。
でも、礼を言う間もなく死んでしまった。
突然の事だった。
誰にも止める事は出来なかったし、諦めるしかなかった。
あれから、数日が経った霊安室。
「兄さん」
千鶴は泣いていた。
兄の冷たくなった体を支えながら、人目も憚らず泣き続けていた。
自分の責任だと責めつづけながら、愛する人が遠くに行った事で悲しみが心を満たす。
「王子様」
傍にいるロベリアやジャスミン、美咲や子鉄もまた悲しみに溢れている。
「油断した私のせいだ」
ジャスミンは拳を握りながら、唇を噛む。
あの時、即座に千鶴と契約したものの、遅かった。
気付いた時には黒い人影に当たりを囲まれていたのだ。
打って出られる方法もなく、狼狽していたところで黒い人影は消えた。
今、ジャスミンを慰められるほど、誰しも余裕はなかった。
子鉄は霊安室から出て行く。
霊安室の外には人が集まっている。
「彼は」
子鉄に話しかけたのは萌黄だ。
子鉄が首を振り、病院の廊下を歩いていく。
その後を追うように去る退魔師の面々。
他に残ったのは妖魔達。
笹原家族、葉桜家族など。
その中には、病室を抜け出したティアやチェリー、カメリアの姿もあった。
自分を助けた人が、死んだ。
症状は落ち着かないものの、三人ともどのような人間か気になっていたのだ。
でも、礼を言う間もなく死んでしまった。