辺りは、人通りも少なく冷え切っていた。 日に日に最低気温が更新されていくのも頷ける気温だ。 「寒いな……」 そう呟いて、コートのポケットに手を入れようとすると、 「寒いわね」 と、小さな手がポケットに滑り込んできた。