「じゃ、次行っぞー」
再び始まる成績発表。
「13位、小園 聖也ー。14位、日黒 善臣ー。」
名を呼ばれ、ぞろぞろ続いて教卓に向かう生徒たち。
ベスト10を発表し終えたからって、名前を読み上げるだけという適当さだ。
「15位、藍咲 圭也ー。」
皆の動きがピタリと止まる。
そして、一斉に圭也に視線が集中した。
当の本人はというと、ボケーっとしている。
怜悧も藍咲圭也って二人いたっけ?なんて考えていた。
「おい、藍咲‼」
「ふぇっ⁉」
鮫島の怒鳴り声で圭也はボケーッとした間抜けな顔のまま勢いよく立ち上がる。
「って圭也が15位っ⁉」
つられて怜悧まで立ち上がった。
椅子がガシャンと後ろの席へぶつかり、後ろの席の男の子の舌打ちが聞こえる。
「お前まで何なんだ。座れ、天世。」
まさか、圭也がこんなにいい成績になるなんて‼
これは夢だろうか・・・
「そろそろ座った方がいいですよ。」
恭が小声で前の席から促す。
恐る恐る鮫島の顔を見てみるといつも以上に恐ろしい形相だ。
「すみません・・・」
「ったく、自分の心配でもしてろ。・・・おい、藍咲早く来い‼成績下げるぞ。」
圭也。
ごめん。
とばっちりが圭也にいってしまった。
.

