「じゃあ、いいところは?」
「・・・世話焼きで、見た目に似合わず熱血で、頑張り屋さん・・・かな?」
「え?それだけなの?」
樹里ちゃん、納得いかない顔だ。
「ん・・・後、気分がちょっと落ちているとき、一番欲しい言葉をくれる。それに、皆といる時とは違う顔を見せてくれたり・・・」
「へぇ~そうなのぉ。いいわねぇ。」
樹里ちゃんは相変わらずニヤニヤ見てくる。
・・・なんか、恥ずかしくなってきた。
いつものやる気無さそうな顔じゃなくて、私だけに見せる光の優しい顔が頭にちらついて離れない。
「も、もういいだろっ‼樹里ちゃんは、凛のことどうして好きになったの?」
いたたまれなくなって、話を樹里ちゃんにふった。
「樹里は、一目惚れよ。」
おぉ~そんな気はしてたけど。
「あれは、この町に引っ越してきたばかりで右も左もわからない幼稚園年長さんの頃だったかしら。」
樹里ちゃん、語る気満々だ。
「新しい幼稚園でも友達はすぐにたくさんできたんだけど、なぜか喧嘩三昧だったのよね。」
樹里ちゃん、気が強いもんなぁ~
「ある時、喧嘩のことで幼稚園の先生に叱られていたのよね。吹っ掛けるのはいつも樹里からだったかららしいわ。でも、喧嘩の後は仲直りしてたのよ?」
「わかったわかった。」
「それで、しょんぼりしていたら、樹里のもとへ凛さまが現れたわけよ。たまたま通りかかっただけらしいけど、天使かと思ったわ。可愛い顔で"元気出してね"なんて言うのよ?励ますように笑顔まで添えて。」
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