PM10時。
もう、2時間くらいこうしている。
和室の樹里ちゃんの部屋に布団を敷き、向かい合っておしゃべりしていた。
学校の話、昔の話、これからの話、もう終わることないんじゃないかってくらい話題が絶えない。
実を云うと、お泊りしちゃうほど仲のいい女友達はいたことない。
女学校時代はちゃんとグループに入っていたが、学校だけの友達ってやつ。
プライベートで遊んだことは一度もない。
そういえば、小学生の頃、親友だと思っていた双子の姉妹がいたっけ。
2人のこと大好きだったのに・・・
毎日遊びに来てくれたのに・・・
ある日を境にぱったりといなくなってしまった。
それ以来、姿も噂も聞くことなく、行方不明ってわけだ。
もう、女友達なんて出来ないって思ってたけど・・・
高龍学園も悪いことばかりではないな。
樹里ちゃんに引き合わせてくれたし、何より性別は違えど、皆優しい友達だ。
ん?
やっぱり普通の女子高生じゃなくてよかったかな?
「怜悧?眠たくなってきた?」
「全然平気。」
「そう。あ、まだ、怜悧の気になる人の話聞いてなかったわね。」
「へ?き、気になる人なんていないよっ‼」
夕方のお土産屋さんでのことを思い出したのか、ニヤニヤと怜悧を見る。
「じゃあ、キン・ニックくんをあげる人のことを教えてもらおうかしら。まずはその人の悪いところを教えて。」
うわーもう決めつけてるし。
答えないと許してくれなさそうだ。
「・・・目つき悪くて猫背でやる気無さそう。心配性で愚痴っぽいし、ネチネチしてる。しかも、一言多い。」
「・・・いやぁーね。」
樹里ちゃんの好きなタイプと真逆なのだろう。
なんでそんな人をって顔だ。
.

