男装人生




客間は怜悧と樹里ちゃんだけになった。


「寂しいのは、怜悧だけじゃないわ。」


「え?」


「そんな顔してたら樹里まで寂しくなるじゃない。」


樹里ちゃんは、やっぱり何でもお見通しのようだ。



「また、来てもいい?」



「もちろん。それに、まだ明日まで時間は沢山あるわよ。おしゃべりしましょ。」



樹里ちゃんは優しい表情でクスリと笑う。


「そうと決まれば早くっ‼時間が惜しいわ。ご飯食べて、お風呂を済ますわよっ‼」


そう言い、駆け出す。

こんなにはしゃぐ樹里ちゃんは初めて見た。



怜悧も嬉しくなり、後を追って走り出した。



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