男装人生



何とか全員分のお土産を買い終え、樹里ちゃん家に戻る。

夕飯までの時間、客間でまったりとしていた。


「今日も充実してたなー」

圭也が満足気な顔で大きく伸びをしている。


「流石に疲れたわね・・・」

樹里ちゃんは少しお疲れ気味だ。


「観光名所ほとんど回ったんじゃない?」


「まだ、あるわよ。」


へぇ~
足を踏み入れた時から感じていたけどやっぱ凄い観光地なんだな。


「次来たとき、行こうなー」


「え?明日行けばいいじゃん。」



「「午前中には帰る(ぞ)(みたいよ)。」」


「・・・」


そっか、もう帰るのか。


「明日は10時に迎えに来るからな。準備終わらせとけよー」


「うん。」



あっと言う間にだったなぁ。


始め、この旅行も圭也達と同室でどうしようかと思ったが、樹里ちゃんのおかげで何事もなく、いや、快適に過ごすことができた。

なんだかんだで良くしてくれるし、女だってことを隠すことなく接せるなんて、久しぶりでとても楽だった。


あー
なんだか、寂しいなー

樹里ちゃんとはまだ2日間の仲だけど、個人的に樹里ちゃんは好きなタイプだ。

しっかり自分を持っていて、よく周りを見ている。
凛に対しては強引で突っ走りすぎな面もあるけど、一途で可愛い姿もある。
キツイ性格ももう慣れてきた。


もう、私達、友達だよね。


・・・私が普通の女子高生だったら、休日のたび、遊びに行ったり、お泊りしたり、楽しく過ごしていただろうか。


「怜悧、なんて顔してるのよ。ほらっ、圭也くんもそろそろ帰らないと夕飯の時刻を過ぎるわよ。一人だけ遅れたら迷惑をかけるでしょ?」



樹里ちゃんに急き立てられ、圭也はしぶしぶ帰っていった。


.