男装人生




「おかえりなさい・・・凛さま。」



「・・・・」


「おい。」


返事もかえさない凛を後ろにいた圭也が小突く。

だが、凛は微動(ビドウ)だにしない。




「こんにちは。凛さまのお友達よね。私、凛さまの許婚の樹里です。」


痺れを切らし、今度は私達に向けて声をかけてきた。
すごく綺麗な微笑みを添えて。

みんな慌てて自己紹介をした。



「それにしても、りんりんの許婚がこんなに美少女だとは・・・」


「りんりん、ずるぅ~い‼」


「ふふふ」


笑い方が何だか静江さんに似ている。

樹里ちゃんが凛の隣にやってきた。
並ぶと全身真っ黒の凛と、真っ白の樹里ちゃんの真逆さが際立つ。


勝手にイメージしていた許婚は、長いストレートの黒髪にスッとした奥二重の日本人形みたいな女の子だった。

凛にはそんな感じの女の子がお似合いだと思ったのだ。



うまく言えないが二人に対しての印象は"意外"が一番合う。




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