「どうぞ、お上がりください。外は暑かったでしょう。」
"お荷物お持ちしますね"と仲居さん達が次々と荷物を持って部屋に案内してくれる。
「そういえば、凛太郎が帰ってくるのを樹里ちゃんが楽しみにしていましたよ。」
「・・・・」
また、樹里ちゃんだ。
珍しく凛の顔は険しい。
「凛太郎~樹里ちゃんって誰なんだよ~」
女の子が少なくなって、少し元気になった圭也が凛に聞いた。
「オレも気になるぅ~」
「りんりん。誰誰っ?」
凛の顔は険しいままだ。
「凛、大丈夫?無理して答えなくていいよ?」
玲李が気遣うと凛はふっと表情を和(ヤワ)らげた。
そして、ふるふると顔を左右に振る。
「・・・大丈夫。」
樹里ちゃんの事、相当嫌いなんだろうか。
樹里ちゃんは楽しみにしているみたいだが・・・
「もしかしてぇ~許婚(イイナズケ)とかぁ?」
ハルが冗談半分そんなことを言い出す。
「うん。許婚・・・」
「まさかーって、マジでっ⁉りんりん、マジでっ⁉」
「凛太郎、いつの間に⁉」
え⁉
ホントに許婚っ⁉
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