「架依斗は田西さん苦手なのか?」
田西さんが見えなくなったところで聞いてみる。
ちょうど階段に差し掛かったところで架依斗は止まった。
「苦手ってわけじゃないけど・・・俺、聞いてしまったんだよね・・・。」
「え?」
「今日来る途中、偶然中学の先輩に会って寮まで案内してもらったんだ。その時忠告された。」
架依斗の意味深な口調に私はゴクリと唾を飲み込んだ。
「田西さんは・・・可愛い男好きだから気をつけろ、って。」
「?」
「俺は大丈夫だけど怜悧はどっちかというと可愛い系だと思って・・・」
なんじゃそれ。
そんな人には見えなかったけどなぁ。
「可愛い坊やとか言ってたし・・・」
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