「ふぁぁあ~」
「やる気ないなら、帰れ。」
盛大な欠伸に、光から鋭い声が飛ぶ。
只今、いつもの放課後の教室で勉強会が開かれていた。
普段と違うのは鈴音とその他の事情をしるみんなが勢ぞろいしているくらいだ。
「これには深いわけが‼」
慌てて弁解しようと口を開くが
「怜悧、手を動かすように。」
架衣斗にまで怒られて、しゅんと肩を落とす。
圭也のせいなのに・・・
結局、昨夜の説教が長すぎて4時間くらししか寝ていない。
前の席で突っ伏して寝息をたてている圭也が憎い。
鈴音はというと、たくさん寝られたせいか調子よく問題に取り組んでいる。
「…そう、そこは方程式を使って」
「こう?」
「あぁ。・・・怜悧より見込みありそうだな・・・」
光――ッ、聞こえてますから―――
昨日は険悪な様子だった光と鈴音だったが、勉強を教えてもらっている間だけは平穏だ。
休憩になると、途端に空気が悪く変わってしまうのが不思議なくらいだ。
「この調子じゃ、合宿必要かもしれないなぁ。」
藤原さんが腕を組み、私たちの様子を見ながらそう言った。
1週間、勉強会をして確実に私の成績は上がってきている。
だが、Aクラスの最下位点数までは程遠い。
藤原さんがそういうのは当たり前だ。
確かに合宿は効果的かもしれない。
だけど、私にはとても危険だった。
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